シンジの恐れは無くなることなくココロを揺さぶり続ける


エヴァンゲリヲン新劇場版:序より


結局はエヴァに乗り、一撃でやられちゃったシンジは病院のベッドで目覚めるけど、そこにはレイがいて淡々とこの後の作戦を伝えるだけだ。

 

シンジが「またあれに乗れっていうのか」って言っても「そうよ」と答えるだけだ。シンジの気持ちはレイには伝わらない。

 

レイから「じゃ寝てたら」と言われ、唖然としているシンジは「さよなら」と言われてしまう。シンジとしては、エヴァになんて乗らずにこのままここで寝ているっていう選択も出来るけど、ここにいたところで安心して寝てなんかいられない。

 

シンジの心の中はどこにもいけないし、どうすればいいのかさえ分からないんだろう。病室から出てひとり黄昏ちゃうし、途方にくれる。

 

 

シンジの怒り、不安と恐れはミサトに向かう

 

ミサト 
「シンジ君、集合時間はとっくに過ぎてるのよ。あなた 自分で決めてここに残ったんでしょ。だったら自分の仕事をきちんとしなさい」

シンジ
「怖いんですよ、エヴァに乗るのが。ミサトさんたちはいいですよね。いつも安全な地価本部にいて命令してるだけなんですから。ボクだけが怖い目にあって・・ミサトさんたちは罪ですよ」

そんなシンジにミサトは地下にあるリリスを見せる。ミサトたちの覚悟を知っておいてほしいってのもあるだろう。

シンジ 
「これって!まさか・・・エヴァ・・?」

ミサト 
「違うわ。この星の生命の始まりでもある終息の要ともなる 第2の使徒リリスよ」

シンジ 
「リリス・・・」

ミサト 
「そう サードインパクトのトリガーとも言われているの。このリリスを守りエヴァで戦う。それはあなたにしか出来ないことなのよ。私たちは、あなたとエヴァに人類の未来を託しているの」

シンジ 
「そんな辛いこと なんでボクなんだ・・」

ミサト 
「理由はないわ。その運命があなただったってだけ。ただしシンジ君ひとりが命を懸けて戦っているわけじゃない。みんな一緒よ」

シンジ 
「もう一度 乗ってみます」

 

ミサトに「シンジ君、集合時間はとっくに過ぎてるのよ。あなた 自分で決めてここに残ったんでしょ、だったら自分の仕事をきちんとしなさい」と言われちゃうけど仕方がないよね。

 

一度はエヴァに乗るって言ったのに、でもエヴァに乗ってみたらやっぱり怖かったんだ。そりゃ心もブレるってもんだ。人は腹の底から自分で決めていないと 一度決めたこともブレたりする。

 

これって覚悟の問題だと思うんだけど、腹の底から決めたことは自分がもし逃げたいと思ってもブレることはまずない。

 

自分自身が何かを決めるとき、どこまで覚悟が出来てるか、ってことになる。この覚悟は頭で考えただけだと、いとも簡単に崩れ落ちる。頭で考えて決めていると、逃げ出したくなったときに、いかようにも思考で誤魔化すことが出来る。

 

思考はうまく出来ているから、いかにも正当な理由を考え出し、新たな決断をする、という形で最初に決めたことを覆すことが出来る。

 

シンジは腹の底から決めていたわけじゃないから、怖い思いをすれば一度決めたことも簡単にブレる。

 

ブレるから「ミサトさんたちはいいですよね。いつも安全な地価本部にいて命令してるだけなんですから。ボクだけが怖い目にあって・・ミサトさんたちは罪ですよ」とも言いたくなる。

 

自分で決めたはずなのに、ボクだけが怖い目にあって・・・、と被害者意識になる。本当に腹の底から決めていれば、こんな言葉は出てこないだろう。

 

そんなことはもとより覚悟の上で決めてることだから。

 

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根源的な恐れは、再びエヴァに乗る選択をする

 

ミサトにしたらミサト自身の覚悟をシンジに見せておきたかったんだろう。シンジに地下にあるリリスを見せる。


「これって!まさか・・・エヴァ・・?」

「違うわ。この星の生命の始まりでもある終息の要ともなる 第2の使徒リリスよ」

「リリス・・・」

「そう サードインパクトのトリガーとも言われているの。このリリスを守りエヴァで戦う。それはあなたにしか出来ないことなのよ。私たちは、あなたとエヴァに人類の未来を託しているの」

「そんな辛いこと なんでボクなんだ・・」

「理由はないわ。その運命があなただったってだけ。ただしシンジ君ひとりが命を懸けて戦っているわけじゃない。みんな一緒よ」

 

ミサトにはミサトの、また他のみんなにはみんなのそれぞれの覚悟があるんだろう。それをシンジに知っていてもらいたかったんだろう。

 

それを見たシンジは「もう一度 乗ってみます」と言う。

 

本当は怖いからエヴァになんか乗りたくないのに ミサトやミサト達の覚悟がシンジの何かに触れたんだろう。

 

ミサトの言う「みんな一緒よ」って言葉は、シンジにとっては心強いものだろう。みんな一緒よって言葉は 自分はひとりじゃないと思える。

 

もしシンジがエヴァに乗ることをやめたら、誰にも必要とされないし全くのひとりぼっちだ。シンジにとってエヴァに乗るのが怖くても、全くひとりぼっちで誰にも必要とされなくて、生きている意味さえ見出せないのは、もっと根源的な恐れに触れることになってしまう。

 

「みんな一緒よ」って言葉は 繋がっているように感じられるし、必要とされているとも感じられるから、シンジにとっては唯一の救いなのかもしれない。

 

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なんでこんな人生になんだ、という理由が「運命」と言われても、納得できるはずもない

 

「なんでボクなんだ・・」

「理由はないわ。その運命があなただったってだけ」

 

この会話は人生を象徴しているような会話だ。なんでこんな人生なんだ、という疑問に理由はないと言ってるんだから。えてして人の人生をうまく表している言葉だと思う。

 

生きている間にはいろいろなことがある。その中で何で自分が・・って思うことも少なくないだろう。

 

頭を使っていくら考えても、そうそう答えなんか出るもんじゃない。かといって「運命」という言葉で片付けるには納得がいかない。

 

「運命」という言葉で片付けてしまったら、それこそクジに当たったか外れたかみたいになってしまう。

 

人が何回も生まれ変わるのなら、意識に上がらないどこか、無意識なのか魂なか・・・

 

自分自身で自分が生まれる環境を決めているのかもしれない。

 

魂には全ての記憶があって、全ての記憶を持ったままだと3次元の地球で肉体を持って体験する意味があまりないのかもしれない、と考えた方が「運命」で片付けるより納得出来る。

 

輪廻転生を信じるのも信じないのも全て自由だけど、魂の記憶を忘れて肉体を持つからこそ、体験できることがあるのかもしれない。

 

感情とか思考とか、3次元ならではの体験は、肉体を持つことで可能になるのかもと、こんな風に考えるのが一番無理がないような気がする。

 

ただ「魂」が実際にあるのか、単に意識を持つことなのか、疑問は払拭しきれない。

 

その苦しみはあなたのものでない