アスカの思いもよらない行動は、存在意義を脅かされる恐怖からくる


エヴァンゲリヲン新劇場版:破より


降下使徒「サハクイエル」を、シンジ、レイ、アスカの3人で倒した後の夜、ミサトの家でのシンジとアスカ

 

 

「ずっとひとりが当たり前」のアスカが、初めて感じる孤独感


アスカ 
「アタシ1人じゃ 何も出来なかった・・・ずっとひとりで当たり前なのに、孤独って気にならないはずなのに・・・」
寂しくなったアスカはシンジの部屋に行く。

アスカ 
「七光り ちょっとだけいさせて」七光りって シンジのことだよ。

シンジ 
「あの 式波さん・・・」
(新劇場版シリーズでは、アスカの名前が「惣流」から「式波」に変わっている)

アスカ 
「今日 ドサクサにまぎれて名前よんだでしょ」

シンジ 
「あっ・・・」

アスカ 
「特別にアスカでいいわよ。アタシも バカシンジって呼ぶから」

シンジ 
「じゃあ アスカはどうしてエヴァに・・・?」

アスカ 
「愚問ね。黙ってなさいよ、バカシンジ」

シンジ 
「・・・・・」

アスカ 
「自分のためよ エヴァに乗ってるのは、アンタはどーなの?」

シンジ 
「よくは わからない」

アスカ 
「あんた バ~カ~、そうやって 責任逃れしてるだけなんでしょ」

シンジ 
「父さんが・・・・・褒めてほしいのかな。今日は始めて褒めてくれたんだ。始めて褒められるのは嬉しいと思った。父さん ボクのこと認めてくれたのかな。ミサトさんの言ってた通りかもしれない」

アスカ 
「アンタって ホントにバカな子ね」

 

アスカは
「アタシ1人じゃ、何も出来なかった・・・」と言っている。

 

自分で勉強して努力して実力をつけることで、何でも自分ひとりでできる、ってことが今まで自信になっていたのに、今回の使徒は1人では倒せなかった。

 

シンジとレイがいなければ、使徒を倒すことはできなかった。

 

3人で協力したからこそ使徒殲滅に成功したわけだから、今までの自信が揺らいでしまい、アスカにとっては相当キツイ。

 

ずっと1人でやってきたから、ずっと1人で頑張ってきたから、他人に頼ることはなかったし、他人に頼られることもイヤだった。

 

それがアスカの中では当たり前だったし、自信にもなっていた。

 

そこに存在意義があったから、孤独ってことさえも気にならなかった。

 

「ずっと1人で当たり前なのに、孤独って気にならないはずなのに・・・」
とつぶやいてる。

 

3人で協力したからこその使徒殲滅。1人では出来なかった・・・という思いと、ひとつのことに対して、他の人と協力し合って目標達成できたこと。

 

他の人と協力し合って何かを成し遂げることは、アスカにとっては初めての体験だっただろう。

 

その体験は自分の価値さえ分からなくなりそうで、存在意義も揺るがすほどなら孤独を感じてしまうのは必然た。

 

孤独な心―淋しい孤独感から明るい孤独感へ (セレクション社会心理学)

 

それでも自分のためにエヴァに乗ることの存在意義は変わらない

 

一方シンジとレイはアスカのように単独プレーをしようとは思ってない。
ただ、自分が出来ることを精一杯しているだけだ。

 

アスカにとっては、1人では何もできなかったという気持ちと、人を信頼してもいいのかもしれないという気持ちが同時に交錯して、孤独を感じた時、ひとりが耐えられなくなりシンジの部屋に行く。

 

アスカにしたら
「七光りちょっとだけいさせて」なんて素直で今までだったら考えられない。

 

でもやっぱ恥ずかしいのか
「今日ドサクサにまぎれて名前よんだでしょ」とシンジに言ったりしている。

 

シンジになぜエヴァに乗ってるのか聞かれて
「愚問ね、黙ってなさいよバカシンジ」って返すけど、

 

その後「自分のためよ、エヴァに乗ってるのは」と言う。

 

やっぱり自分の存在意義は変わらない。ココロは揺らいでるのに、認めるのは怖い。

 

だって今までの自分はなんだったの?となってしまえば、自分の努力は意味がないことになってしまう。

 

そしてシンジがな
「ぜエヴァに乗っているのか解らないと言えば

 

「あんたバ~カ~、そうやって責任逃れしてるだけなんでしょ」と返してる。

 

何でも出来ることが大事、それを存在意義にしているアスカにとっては、自分にためにエヴァに乗っていないシンジは信じられない。

 

だから
「あんたバ~カ~」という言葉が出てくる。


「父さんが・・・・・褒めてほしいのかな、今日は始めて褒めてくれたんだ」
始めて褒められるのは嬉しいと思った。

 

「父さん ボクのこと認めてくれたのかな、ミサトさんの言ってた通りかもしれない」シンジのこんな言葉にも
「アンタってホントにバカな子ね」と返すのは、やはりアスカらしい。

 

人間の存在意義 神の存在、死後存続との関わりにおいて

 

シンジはダメダメなりに、自分の感情を素直に感じている

 

シンジはダメダメだというのが一般的かもしれないけど、自分の感情は素直に感じているから、そこは自分に正直だ。

 

アスカも本当は褒めてもらいたいけど、アスカにとっては「ただここにいる」ことはダメで理由が必要になる。

 

ただ、素直に感情を感じれば感じるほど、自分自身はしんどくなったりする。その苦悩する姿はダメダメに見えたりする。

 

感情の厄介なところは、感じ切らないといつまでたってもなくならないということ。

 

これは理屈で何とかしようと思ってもどうにもならない。

 

頭で考えてうまいこと解決したように誤魔化すことはできても、根本的には何も解決されないままになる。

 

そこは見ないと決めて封印してしまうという方法もあるが、何かのキッカケで表面化しないとは言い切れない。

 

人の心理は複雑だ

 

自分で自分にOK出せればいいんだけど、これがなかなか出来ない。

 

だから他の人にOKと言って、認めてもらいたくなる。

 

持って生まれた性質と、生まれてからの環境が大きく左右するし、人には心で感じることと、頭で考えることのふたつがあるから複雑になる。

 

頭で考えて納得できたようにみえても、心は何も納得できなかったりする。心は理屈ではどうしようも出来ない。

 

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