14歳のシンジとインナーチャイルド、どちらも承認欲求は満たされることはない

 

エヴァンゲリヲン新劇場版:破より


アスカの乗ってる3号機を倒したあと、ネルフを去ろうとして電車に乗っているシンジ。電車の中、いすに座ってウトウトしている。

 

 

シンジのミュージックプレーヤーは、綾波レイがエヴァに乗るときいつも持っているゲンドウのメガネと同じ

 

綾波レイ     
「碇君 いつもそれ、聞いてるの?」
お父さんの置いていったミュージックプレーヤーで、いつも音楽を聴いているんだ。

シンジ      
「うんこれ昔、父さんが使っていたものなんだ」

子どものシンジ 
「綾波のメガネと一緒だよ」
(綾波はエヴァに乗るときゲンドウの壊れたメガネを持っている)     

シンジ      
「けどもう、いらなくなって置いていったものなんだ」

子どものシンジ 
「ボクと同じだよ」

シンジ      
「先生のところに置いてあったのを、ボクが貰ったんだ。耳をふさぐ、心もふさぐんだ。イヤな世界と触れ合わなくてすむからね」
(先生のところっていうのは、お母さんのユイがなくなってからシンジが面倒をみてもらっていたところ)

綾波レイ     
「イヤな 世界・・・・・」

シンジ      
「そうさ、キライな父さんがいる世界。怖い使徒やエヴァのいる世界、そうゆうことを忘れる世界。ダミーがあれば、父さんもボクをいらない世界。ボクも友達もキズつく世界。でも、いいこともあったんだ。けど、結局は壊れてしまうイヤな世界さ。もう捨てるんだ。これしてると、父さんがイヤな世界から守ってくれると思ってたんだ。ボクの勝手な思い込みさ」

綾波レイ     
「碇君はわかろうとしたの?お父さんのことを」

シンジ      
「わかろうとした!」

綾波レイ     
「何もしなかったんじゃないの?」

シンジ      
「わかろうとしたんだよ!!悪いのは父さんだ!ボクを見捨てた父さんじゃないか!」

子どものシンジ 
「そうやって、イヤなことからまた逃げ出してるんだろ」

シンジ      
「いいじゃないか!イヤなことから逃げ出して何がわるいんだよ!」

ここで、ハッと目覚める。

 

シンジは、本当はお父さんをすごく求めていたんだ。お父さんの置いていったミュージックプレーヤーを貰って、それをいつも聴いていた。そして耳と心をふさいで、イヤな世界をシャットアウトしていたんだ。

 

父親に認めてもらいたいけど、それはなかなかかなわない。

 

ダミープラグがあれば、エヴァのパイロットとしても必要なくなる。みんながキズ付く世界。いいこともあったけど、結局は壊れてしまうイヤな世界。ミュージックプレーヤーで耳をふさいでいれば、父さんが守ってくれると思っていたのに、

 

それもシンジ自身の思い込みだったと。だからもう捨ててしまおうとする。どうせ捨てられるなら、自分から捨てたかったのかもしれない。

 

綾波レイに
「お父さんのことを解ろうとしたの?」と聞かれても、

解ろうとしたのに捨てられた、父さんが悪い、と思ってる。

 

子どものシンジからしてみれば、きっと精一杯わかろうとしたんだ。でも受け入れられなかったということは、父さんが悪い、捨てられた、と思ってしまうのもうなずける。

 

綾波レイが持っているゲンドウのメガネと同じで、本当は繋がっていたいし、認めてもらいたいのに、承認欲求は満たされない。

 

「満たされない心」の心理学 (新書y)

 

子どもの頃の心の傷が残ったままのシンジのインナーチャイルドは、14歳のシンジに求める

 

子どものシンジというのは、心理療法でいうところの内なる子供、インナーチャイルドってこと。

 

子どものシンジは、今のシンジのミュージックプレーヤーのことを、綾波レイがエヴァに乗るときにいつももっているゲンドウのメガメと一緒だよ、と言ってる。

 

そのお父さんが置いていったミュージックプレーヤーと、ボクは同じだとも言っている。インナーチャイルドのシンジも、お父さんに捨てられたと思っているんだ。

 

子供にとって一番身近な親から捨てられる、というのは耐え難いことだし、自分が存在していること自体、全否定されたと感じてしまうから、子どもは捨てられないように必死になる。

 

子どもにとって捨てられるということは、生存することさえままならない、と感じてしまうから。

 

じゃあなぜ子どもは捨てられた、と感じるのか。

 

それは自分が受け入れられた、と感じられないからに他ならない。受け入れられたと感じることが出来ないと、必要とされていない、捨てられた、と思ってしまう。


子どもにとっては、親に受け入れられなかったら、自分が存在する意味も分からない。

 

承認欲求は見事に打ち砕かれる。親に受け入れられることによって、ここにいていいんだ、という安心感を始めて得られる。

 

でもインナーチャイルドのシンジは、今のシンジにちょっと期待している。

 

そうやって、イヤなことからまた逃げ出してるんだろ、と問いかけている。

 

子どものころに受けたダメージは、自分自身で癒さない限り、他人に癒してもらうことはできない。


小さいシンジも求めている。小さいシンジはお父さんではなく、14歳のシンジに求めている。

 

まあ無理にインナーチャイルドと考えなくても、自分自身との会話と考えてもいいかもしれない。


癒されていないままの感情は、時が過ぎても過去のままにそこにある。

 

小さいシンジは、お父さんに認めてもらえないと思ってるんだから、今度は14歳のシンジに求める。

 

インナーチャイルドの癒し

 

癒されない感情は、感じ切ることでしか納得できない

 

自問自答しても。スッキリする答えは出てこない。
イヤなことから逃げ出して何がわるいんだよ!って思う。

 

でも、シンジは解ってる。逃げたいから逃げるってこと。父さんが悪いと言っていても、自分が逃げたいから逃げる、と解っている。

 

ここ結構大事なところ。【お父さんのせい】だけにしてないってことだ。

 

父さんはキライ、父さんもボクをいらない世界、みんながキズ付く世界、いいことがあっても結局は壊れてしまうイヤな世界、

 

だから逃げる。自分で自分のこと解っているから

 

「いいじゃないか!イヤなことから逃げ出して何がわるいんだよ!」
と言っている。

 

シンジはいつもそうだ。自分のこと誤魔化さないで自分の感情に素直だ。

 

父さんがキライ、それ自体に良いも悪いもない。逃げたいから逃げる、それ自体にも良い悪いはない。


感情はただ感じているだけで、感じたことに対してジャッジはしない。

 

良いとか悪いとかのジャッジをするのは思考に他ならない。

 

感情は良いも悪いも関係なく、ただ感じるだけだ。

 

感じ切ることが出来ればいいが、これはこれで結構キツイものがある。

 

感情マネジメントと癒しの心理学 (朝倉実践心理学講座)