シンジの言い訳は ココロが痛い

 

エヴァンゲリヲン新劇場版:Qより

 

やりを取りに向かうシンジに アスカが攻めてくる
アスカはシンジのことをガキという

 

 

シンジにとっては思いもよらない展開で カヲルの言葉も耳に入らない

 

カヲルに
「イヤな予感がする やめよう」
と言われるが 何とかしたいシンジは聞き入れることはない

「僕らの槍じゃない」
と言われても 聞く耳を持たない

シンジは
「槍が必要だって 君が言ったんだ だから僕はエヴァに乗ったんだよっ!」と そのまま槍を取りに行く

シンジ
「カヲル君のために みんなのために槍を手に入れる そうすれば世界は戻る
そうすれば ミサトさんだって」

カヲルにも
「ダメだ シンジ君!」
と言われ 

アスカの
「やめろ!バカガキ!」
の声も耳に入らない

 

カヲルによって希望を見出したシンジだが そんな希望はどこかに吹っ飛ぶ展開だ。カヲルの言葉に耳を貸すこともなく 突き進んでしまう。

 

シンジにとって カヲルは自分を否定せず希望を与えてくれた存在で、自分が受け入れられたと感じていれば 「カヲル君のために」と言ってしまうのもうなずける。

 

分析心理学・自我と無意識 ─まんがで読破─

 

シンジの無意識は求め続ける

 

カヲルの言葉によりシンジの気持ちが動いたのは確かだが、カヲルがシンジに強制したわけでもなく シンジ自身がそうしたいと思ったからの行動だが、シンジの意識にはその自覚はない。

 

だから言い訳をしたくなる。

「槍が必要だって 君が言ったんだ だから僕はエヴァに乗ったんだよっ!」

「カヲル君のために みんなのために槍を手に入れる」

本当はシンジ自身が一番救われたいのに そこに意識はいかない。

 

誰かのために みんなのためにと思いながら、無意識のうちに人から認められることを求めている。

 

これは見方によっては Give and Takeだ。誰かのために~したんだから みんなのために~したんだから、ボクを認めてよ!ってことになる。

 

現実では、シンジのような体験をすることはないだろうが


「あなたのためにやったのに、なんであなたはしてくれないの?」


こんな言葉は聞いたことがあると思う。

 

これ Give and Takeで 無意識で見返りを求めてるってこと。

 

誰かのために 何かしてあげたいと思ったら、ただしてあげればいい。してあげるだけで満足できれば そこに見返りを求めることはない。

 

どちらがいいとか悪いとかではないが、無意識の Give and Takeで、やってあげたのにやってもらえないというのは その期待がムチになってしまう。そのムチは心を打つので辛くなる。

 

やってあげたかったからやっただけ、と思っていてそれで満足できれば その時点で自己完結しているので 心が苦しくなることはない。

 

誰かのためっていうのは 本当のところは自分自身のためということになる。

 

しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する

 

アスカの言葉もシンジには届かない

 

アスカも
「やめろ!バカガキ!」

と シンジを止めようとするが、やはり シンジは聞く耳を持たない。

 

思いもよらない展開でパニックになっているし 仕方がないともいえるが、アスカにとっては最悪だ。

 

14年の歳月が経っていれば アスカ自身その中でいろいろな経験を積んだだろうし、今の状況を把握もしているだろう。しかし シンジの14年の歳月は止まったままだ。

 

アスカはアスカで複雑な気持ちでしかないだろうが、この先の アスカとシンジの関係がどうなるのか 気になるところではある。 

 

意識的な行動の無意識的な理由: 心理学ビジュアル百科 認知心理学編